親の介護は義務!けれど介護は家族だけで行うべきではない4つの理由

 他の家族から介護に対する理解が得られない。兄弟姉妹がいない。そんな介護に不向きな状態でも、介護保険サービスに頼れば背負うものが半減します。今回は介護は家族だけで行うべきではない理由をご紹介します。

ダイエットすら一人で続けられない

ダイエット

 皆さんはライザップをご存知でしょうか。「結果にコミットする」をコンセプトに、ダイエットを目的とするトレーニングジムとその運営会社をいいます。ライザップのウェブサイトを見ると、ダイエットが成功しない理由として「きつくて途中で投げ出してしまう」「目標がわかりにくく、いつのまにかやめてしまう」「体重が変わらず、やる気がなくなる」の3つを例に挙げています。

 そこでライザップでは、トレーナーとマンツーマンでの徹底的なサポートサービスが提供されており、他のトレーニングジムとは大きく異なる方式をとっております。それだけではありません。先端の解剖学、運動力学、生理学、栄養学の理論に基づき、プロアスリートが使う先端技術を駆使したプログラムを作成しています。

(RIZAP/ライザップウェブサイトより)

 ダイエットという一つの目的に絞っていてもなお、これだけのサポートがあってダイエットが可能となっているのです。では、介護の場合はいかがでしょう。「日常生活の維持支援」「意欲を引き出す」「生活の質を高める」ことなどを目的に行われる介護サービス。24時間支援が必要です。生活に関するほとんどすべてに支援が必要です。

 「きつい」「目標がわからない」「やる気」が理由で続かないのだとしたら、介護もダイエットも変わりません。誰も褒めてくれませんし、他の家族は理解してくれないかもしれません。介護をしているのに、その相手である親に文句を言われることも少なくありません。この状態で良い介護を続けることはまず無理でしょう。

 親御さんの介護であっても、親御さんの望む生活を実現していくための明確な目標が必要です。意欲を失ってしまっている親御さんでしたら、望む生活や目標は設定できません。この場合まずは意欲を引き出さなければならないのです。

 介護は生活全般にわたります。目標を一つに絞れるわけもなく、医療、食事、排泄、睡眠、入浴、娯楽に至るまで、さまざまな課題があり、さまざまな目標が必要。それぞれの専門家と情報の共有化が必要であり、円滑な連携がなければ親御さんを支えることはできません。目標達成のため、チームケアが必要なのです。

 実際、ライザップは最近、高齢者向けのサービスに参入しました。元は介護の専門家ではなかったとしても、ライザップであれば高齢者がみんな元気になってしまいそうでとても期待できます。

虐待を生みやすい

虐待調査

出典:「平成27年度 高齢者虐待対応状況調査結果」厚生労働省

 上の表は虐待調査の結果です。平成27年度、虐待を受けた方の人数は17,614人。虐待を行った方との同居の有無では、「虐待者とのみ同居」が 8,086 人(49.2%)で最も多く、おおよそ半数もの事例があるのです。「虐待者及び他家族と同居」の 6,142 人(37.4%)を含めると、14,228 人(86.6%)が同居していた状態です。

 親御さんの介護をする方は、兄弟姉妹のうち親御さんと同居している方が介護をすることになります。特に、その方が未婚であったならほぼ確実にその家族が介護をすることに決まるのではないでしょうか。結婚もしていなく、子供もいないのだから自由な時間も多くできるだろうと安易に全てを背負わされてしまうのです。

 介護における虐待は、なんの備えもなく綱を渡るようなもの。たった一人で落ちることなく(虐待)渡りきるのは非常に困難です。可能であれば、家族みんなで、介護の専門家や医療、その他のサービスとのチームワークを持って、立派な橋(ケアプラン)を作ってから安全に渡りたいものです。

コミュニケーションできる相手と外出が減る

介護サービススタッフ

 自分の親だからとたった1人、または家族だけで親御さんの介護をすると、当然にコミュニケーションする相手が減ります。親御さんの心身状態が悪化すればするほど、外出することも減っていきます。必然的にコミュニケーションする相手は、ほとんど家族だけになってしまいます。

要介護度、認知症が重度化しやすい

重度化

 コミュニケーションや外出が減ってくると、当然に要介護度や認知症は一気に進行してしまいます。楽しく会話できる相手もおらず、外出による刺激も減ってくれば、脳への刺激が無くなりますので、認知症が悪化してしまうのです。動く機会が減ってくれば、当然に身体機能も低下します。

まとめ

 法律上、自分の親は、兄弟姉妹みんなで扶養する義務があります。ですが、多くの家庭で同居している家族にだけ介護を任せているのではないでしょうか。また、人のお世話をする仕事をしている方には女性が多く、介護は女性の仕事だと奥様にだけ押し付けている家庭も少なくないはずです。

 しかし、医療や介護などの専門家、そして家族全員で、親御さんの生活を支える一つのチームと考えるべきです。一人だけ、または家族だけでの介護は、専門家の意見も聞けませんので非効率です。虐待が生まれやすく、要介護度や認知症が重度化しやすい。

 何より、介護を受ける親御さんも、介護をする子供達も、自由が減って、苦痛で楽しくなくなる可能性の方が高い。何も良いことはありません。なんのために介護をしているのか、目的を見失うだけです。

 でしたら、医療や介護保険サービスを賢く利用して、できる限り自分がサボる方法を考える方が良いのです。罪悪感も出てくるかもしれません。外野が冷たいだのなんだのを言ってくるかもしれません。それでも、親御さんと介護をする方だけが心の病気になるよりマシです。

 むしろ、サボっているくらいな方が、家族も親御さんも、心身状態に良い影響になるのです。外野がうるさいようでしたらこの記事を読んでもらっても良いかと思います。介護保険制度は、親御さんを社会全体で支えていく仕組みとして作られたものです。みんなで支え合うことが、親御さんにとっても家族にとっても社会にとっても一番です。

 いかがでしたか。今回は介護は家族だけで行うべきではない理由をご紹介しました。ぜひ親御さんやご家族と話し合ってみてくださいね。

虐待調査
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