気になる親の在宅介護保険サービス費用が簡単にわかるお勧め予算3選

 そろそろ親御さんの介護が必要かと考えている子供たちにとって、毎月の介護保険サービスの料金はとっても気になるところですよね。しかし、在宅介護保険サービスは、携帯電話の料金と似ており、利用すればするほどに利用料が増加しますので、毎月いくらかかりますとはっきりいうことができません。そこで、親御さんの年金を考慮しつつ、家族であらかじめ予算を決めてしまおうという考え方です。今回は親の在宅介護保険サービス費用のお勧め予算をご紹介します。

予算の上限にしたい毎月の利用限度額

介護保険サービスの利用限度額と自己負担割合(単位:円)
区分 月額利用限度額 1割負担 2割負担 3割負担
要支援1 50,030 5,003 10,006 15,009
要支援2 104,730 10,473 20,946 31,419
要介護1 166,920 16,692 33,384 50,076
要介護2 196,160 19,616 39,232 58,848
要介護3 269,310 26,931 53,862 80,793
要介護4 308,060 30,806 61,612 92,418
要介護5 360,650 36,065 72,130 108,195

 上の表は介護保険サービスの月額利用限度額です。親御さんの毎月の介護保険サービス費の予算を、単純に毎月の利用限度額に設定する方法です。利用限度額内であれば、毎月のお支払額が1割または2割の負担だけで済みます。(2018年8月からは、年金+年収が340万以上の方は3割負担の予定)

また、限度額いっぱいに介護保険サービスを利用すれば、かなり十分な介護保険サービスの利用が可能となります。その分介護をする家族、あなたの時間がそれだけ多く自由になります。介護保険サービスの利用は、親御さんにとっても刺激になりますし、気分転換にもなります。

そのため、限度額いっぱいに予算設定することが一番お勧めできる予算設定です。介護保険サービス提供事業者の都合もありますので、ケアマネージャーに限度額いっぱいにと希望しても、希望に添えないこともあるかと思いますが、専門家の力をフルに借りることが一番です。

平均は利用限度額の7割

要介護(要支援)状態区分別にみた居宅サービス受給者平均給付単位数・平均利用率

出典:「介護給付費等実態調査の概況」平成 27 年度 厚生労働省

 上の表は平成28年4月審査分の「居宅サービス平均利用率」です。要介護度が高くなればなるほどに利用率が増加傾向にあります。以外にも、要介護5の方でも利用率は64.6%。この結果は、生活する上で必要な介護は、限度額の約7割利用すれば足りてしまうということの証明ではないでしょうか。

そこで、介護保険サービスを利用する先輩方にならい、無難に限度額の7割に予算を設定するのです。7割は、上の表「介護保険サービスの利用限度額と自己負担割合」に70%をかけて算出してください。要介護3で1割負担の方の場合、7割利用でおおよそ毎月19,000円です。特に、介護保険サービスをはじめて利用する方にはオススメの予算設定です。

利用していく過程で、もし足りないと感じたら1割ずつ増加させたり、十分すぎると感じる場合は1割ずつ減少させるなど、臨機応変な対応をします。それでも、限度額内でおさまりますので、1割または2割の負担です。

 要支援者の利用率は40%以下とかなり低めです。限度額上限が高すぎるためとも考えられますが、これは国の方針とも関係していると考えられます。高齢者にとっても誰にとっても、心身が不自由でいる期間が短い方がいいに決まっています。

心身が不自由でいる期間が短いと、介護保険料を減らすこともできますし、家族の負担も減ります。介護職員の人材不足は、現状の大きな課題ですから、要介護度が低い高齢者の割合が多い方が人材も少なくて済むのです。高齢者全体の平均要介護度が低い方がメリットが多い。

ですから、要支援者の親御さんであっても、必要な分だけ介護保険サービスを利用するより、7割利用する方が、要介護度の重度化を長引かせることができます。もちろん、要介護度の重度化を長引かせることができた方が、全体の介護保険サービス費を削減できる可能性もあります。

予算に余裕があれば利用限度額を超えたサービス利用を

 全ての介護を介護保険サービスの力を借りる方法です。過剰サービスの問題もありますので、不必要な介護保険サービスを利用するというわけではありません。そのため、必要な介護保険サービスを利用した場合、限度額内におさまる可能性もあります。

もちろん、必要な分全て、介護保険サービスに頼った場合、利用限度額内におさまらないこともあり得ます。もしも利用限度額を超えるようであれば、もちろんその超えた分は全額自己負担です。

全ての介護を介護保険サービスの力を借りる方法をお勧めする理由は、今までの家族関係を継続できる点につきます。親御さんの心身状態が悪化すればするほど、親御さんの介護への依存度が上昇していきます。家族であるあなたが介護を提供し続ける限り、親御さんは徐々にあなたに依存していくことになるのです。これは、今までの家族関係が崩れていくことと同じです。

 ですから、親御さんが不自由なく生活できるよう、必要な介護を全て介護保険サービスにお願いしてしまうのです。丸投げです。こうすることで、今までの親子関係と近い形で継続することができます。お互いにイライラすることもありません。介護を理由とした喧嘩もありません。

介護保険サービスを使わない選択肢もあるがオススメしない

虐待調査

 

出典:「平成27年度 高齢者虐待対応状況調査結果」厚生労働省

 平成27年度、虐待を受けた方の人数は17,614人。虐待を行った方との同居の有無では、「虐待者とのみ同居」が 8,086 人で最も多く、割合は全体の49.2%。おおよそ半数が、高齢者と介護者2人だけで暮らしている世帯で、虐待が報告されているのです。「虐待者及び他家族と同居」の 6,142 人(37.4%)を含めると、14,228 人、なんと86.6%にも及びます。

実の親と子の関係だからこその遠慮のなさ。実の親子ではない、嫁と姑の関係。すぐにその場で介護の辛さやイライラを話せる相手がいないこと。間に入ってくれる人がいないこと。理解されない心の障壁。さまざまな要因が考えられます。詳しくは『親の介護は義務!けれど介護は家族だけで行うべきではない4つの理由』を参照してください。

 要介護度が上昇してくると、仕事をしながら全て家族で介護を行うことが難しくなってきます。この場合、退職し、介護に専念せざるを得なくなりますが、これもお勧めしません。親御さんはあなたの幸せも願っています。自分の子供の残りの人生を台無しにしてまで、自分のためにしてくれることは嬉しい反面嬉しくないという複雑な感情にさせてしまうだけです。詳しくは『(介護離職)介護を理由に転職・退職しないほうがいい5つの理由』を参照してください。

 このように、家族だけで介護をすることは悪いことではありません。思いが強ければ強いほどに、家族だけで行うべきだと考えると思います。しかし、専門家がいるのといないのとでは全く異なります。医療行為が素人にできないのと同様、介護も専門家に頼んだ方がいい場面が少なからず存在するのです。

介護保険サービスを利用しない選択肢もありますが、家族全体の幸せを考えるのであれば、できる限り介護保険サービスの利用を考えることをお勧めします。

 いかがでしたか。今回は親の在宅介護保険サービス費用のお勧め予算をご紹介しました。介護保険サービス費が毎月いくら発生するか、おおよそが理解できたかと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

要介護(要支援)状態区分別にみた居宅サービス受給者平均給付単位数・平均利用率
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