プリンを3種買って選んでもらうだけ!誰にでも簡単にできるリハビリ

 要介護状態になり、外出することが少なくなってきた(拒否的)親御さん向けに、心理学を使った簡単なリハビリをご紹介します。実際介護の現場で、このやり方をすることで、ほとんどの利用者様が元気に外食を希望してくれるようになりました。難しくないのでお勧めです。

「自立支援」は親御さんのためだけでなく、あなた(介護者)のためにもなる

 「介護」とは、障害を持つ高齢者が、「自立」した生活ができるよう、サポートする行為をいいます。

「自立」とは、できる限り他の人の手を借りず、自分の力だけで行うこと。そして、自ら考えて、自らの望みで、自ら選択し決定することです。どちらかというと、後者の方が大切です。

障害を持つ親御さんが、「自立」すればするほど、介護する手間がなくなります。もちろん本人も、再びできることが増えてくるので生活が楽しくなってきます。

できることが増えてくれば、要介護度も低くなり、介護保険サービスの利用が減るので、金銭的負担も減少。

あなたの負担が減ってストレスが減少し、親御さんも生活が楽しくなっているので、笑顔が増え、苦痛だった生活環境が、良いものへ変わっていきます。

そんなにうまくいくはずないと思うかもしれませんが、うまくいけば、このような可能性もあるということです。

生まれながらに足が少し悪い、要介護度3の高齢者がいました。この方に、これからお話しする方法を試したら、車椅子から歩行できるように変わり、腹筋が割れてしまうほどに変わりました。

おやつなどは必ず3種用意して1つ選んでもらうだけであなたの勝ち・リハビリ成功

 ご家庭で親御さんの介護を行なっている方はもちろん、たまに顔を出す程度であっても、親御さんにお菓子やデザートなどを食べてもらう機会があります。

その時に、1つだけデザートやお菓子を購入するのではなく、3つ用意します。お菓子やデザートを3倍用意するくらいであれば、そこまで大きな出費にはなりません。

例えば、プリンを3つ買っていきます。同じものではダメです。3種すべて異なるプリンを購入します。その3つを親御さんに見せて、「どれが食べたい。」と聞きます。

すると親御さんは、心理学でいう「コントロールの錯覚」を起こします。そのプリン3つを選択したのは、親御さんではなく、あなたです。しかし、プリンを自分の望みで選ぶことができたと「幸福」を感じます。

「はい、プリンあるよ。」と1つ渡した時は、その気は無くてもどうしても、少し強制されているニュアンスが含まれてしまいます。

しかし、3つの選択肢を設けるだけで、自分で選んでいるので、それだけで「満足感」が高まるのです。

しかも、「自分で選んだものはいいに決まっている。」「自分で言ったことは責任を持たなければ。」という2つの心理も働くので、「おいしい。」と言いながら、最後まで自分1人の力だけで、食べてもらえる可能性も上がります。

3択にするだけで、「自立」を促すリハビリが簡単にできてしまうので、何度も様々なデザートやお菓子で行なっていきましょう。

一緒に飲食店のウェブサイトを見て「美味しそう」と言ってもらえたらあなたの勝ち・リハビリ成功

 親御さんは既に、3択によって再度、「自由」や「コントロール」の心地よさを感じているはずです。そこで今度は、雑誌やパンフレット、スマホやタブレットで、バリアフリーで設計される、近所のファミレスの食べ物を一緒に眺めます。

ここであなたの親御さん(高齢者)がもし、「あら、美味しそう。」と言ってくれたならあなたの勝ちです。自らの望みを言ってもらえるだけでも「自立支援」となり、立派なリハビリとなりますので、たったこれだけでリハビリ成功です。

「食べたい」「食べにいきたい」と言ってもらえたらまたあなたの勝ち

 「あら、美味しそう。」と言ってもらえたのなら、すかさず「食べたい」「食べにいきたい」と言ってもらえるように会話を持っていきます。

「食事は健康でいるには必要だと思う。」
「まずい食べ物より、おいしい食べ物の方がいいと思う。」
「たまには外食するのもいいと思う。」
と、「はい」と答えやすい質問を三回して、「はい」とか「うん」とか、親御さんにいってもらいます。

そして、「今はこういった飲食店でも宅配してくれるんだよ。とても安いし。もし注文したら食べたい。」と質問します。

だいぶハードルを下げた質問なので、「うん」とか「食べたい」とか回答しやすくなっています。これでもし、全ての質問に、肯定の回答を得ることができたら、あなたの勝ち。リハビリ成功です。

一緒に外食に行けたらあなたの完全勝利

 今回はさらに追い討ちをかけてみます。「若く元気な時、休みの日はたまに、配偶者と一緒に外食してたでしょ。どこに食べにいっていたの。」と聞いて、答えてもらいます。

そして最後の仕上げです。「何か隠し事しているよね。私、わかっているんだから。」と、わざとちょっと拗ねたような、怒ったような言い方でこのようなことを言ってみます。

すると親御さんは少し戸惑うでしょう。そこで、「お願いしたら、大変なんじゃないかって気を使ってくれているんだね。けど、そんなに我慢しなくたっていいんだよ。本当は、たまには外食したいって思っているんでしょ。」と優しく言ってみてください。

これでもし、親御さんが「外食してみたい。」ようなことを答えてくれたらもう、あなたの完全勝利です。

これをするのは、できればあなたがお休みの日で、あなたに時間があって、その場ですぐに外食に行ける日に行うことをお勧めします。

「外食してみたい。」と言ってもらえた時点で、「じゃ、今行こうか。」と、間髪入れずに外食に誘うと、外食に行ける可能性がさらに上がります。

こうして外食に連れ出すことができれば、「自ら考えて、自らの望みで、自ら選択し決定する」リハビリだけでなく、「できる限り他の人の手を借りず、自分の力だけで行う」身体的なリハビリも成功します。

外食を理由に、普段の食事・トイレ・入浴などの日常生活動作を親御さんにお返しして行く

 飲食店にて、食事が終わってゆっくりお茶を飲んでいる時にでも聞いてみましょう。「またきたいね。月に1度外食するのもいいよね。」と。

もしその質問にいい返事をもらえたら、「じゃあ、普段の生活も、少しづつお母さん(お父さん)にやってもらったり、手伝ってもらおうかな。そうすれば、お母さん(お父さん)だけでできることも増えるし、もっと自由にたくさん外食に行けるもんね。」と言ってみましょう。

家に帰ってから、普段の生活、例えば食事、トイレ、入浴、整容、洗濯など、見守る時間を徐々に増やし、親御さんが本来やっていたことを、徐々に返していきましょう。

もちろん、そのご褒美的な役割を果たすのは、月1度の外食です。こうして、日常生活動作や外食、自分での選択によるリハビリを繰り返せば、機能が回復してくる部分もあるかもしれません。

リハビリは、特別難しいことは必要ありません。「再び適した状態に戻して行く」ことがリハビリです。

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