「セーフティ・サポートカー」略称「サポカー」とは
高齢運転者を含めた、すべてのドライバーによる、交通事故の発生防止・被害軽減対策の一環として、国が推奨する新しい自動車安全コンセプトです。
「自動ブレーキ」「踏み間違え時加速抑制装置」「車線逸脱警報」「先進ライト」など、搭載される機能数に応じて、4つの区分が設けられています。
「先進ライト」だけは、その単語から意味を読み取ることができませんが、ひとことでいうと、ライトを自動で制御してくれる機能です。
先行車や対向車等を検知し、ハイビームとロービームを自動切り替え。ハイビームの照射範囲のうち当該車両のエリアのみを部分的に減光。ハンドルや方向指示器などの運転者操作に応じ、水平方向の照射範囲を自動制御。3つの機能が「先進ライト」です。
- サポカー
- 自動ブレーキ
- サポカーSベーシック
- 低速自動ブレーキ(対車両)
- ペダル踏み間違い時加速抑制装置
- サポカーSベーシック+
- 自動ブレーキ(対車両)
- ペダル踏み間違い時加速抑制装置
- サポカーSサイド
- 自動ブレーキ(対歩行者)
- ペダル踏み間違い時加速抑制装置
- 車線逸脱警報
- 先進ライト
※クレジット:経済産業省のサポカー・サポカーS紹介サイト
トヨタは「サポカー」対象車数No,1
コンパクトカーだけでも、7種もの「サポカー」が用意されています。アクア、ヴィッツ、スペイドなどの人気車種も対象です。
そのほか、ミニバン9車、セダン10車、ワゴン2車、SUV・スポーツ5車、軽自動車3車、合計36車種が「サポカー」対象車です(2018年5月20日現在)。
トヨタの「サポカー」、例えば「プリウス」の場合、追突事故を約9割も低減できるそうです。また、トヨタの「サポカー」に搭載される「Toyota Safety Sense(第2世代)」の自動ブレーキは、「夜間の歩行者」や「自転車の飛び出し」にも対応。
トヨタは高齢者から車を取り上げるのではなく「サポカー」をつくることで、高齢者の生活をサポートしつつ、高齢者以外の安全も守っています。
※「プリウス」:プリウスを対象としたToyota Safety Senseとインテリジェントクリアランスソナー搭載車(約12万1000台)と非搭載車による比較。
※クレジット:トヨタのサポカー・サポカーS紹介サイト
日本は高齢者にとって生きづらい-今私たちにできることは「違法駐車」「放置自転車」の減少-
警察庁交通局『平成28年における交通事故の発生状況』の「原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人あたり交通事故件数推移」によると、16〜29歳の10万人あたり事故数が最も多く、高齢者の10万人あたり事故は、他の年代と大きな差がありません。
数の問題ではありませんが、なぜ高齢者の事故ばかりが注目されているのか不明です。
内閣府 中央大学大学院戦略経営研究科教授 佐藤博樹 調査『高齢者の生活圏と移動手段』によると、500m圏内における小売店の有無については、大都市では約7割りもありますが、中都市5割、小都市4割、町村になると、たった3割しかありません。
しかし、国土交通省の『高齢者の生活・外出特性について』によると、75歳以上の38%が無理なく休まずに歩ける距離は500mなのです。
しかも、もし仮に500m以内に小売店があったとしても、道の途中に階段、段差、傾斜、違法駐車、放置自転車があれば、身体能力や判断能力の衰えている高齢者の場合、車に轢かれてしまう可能性が高いのです。
だからといって、タクシーで買い物に行くわけにはいきません。国土交通省『高齢者の生活・外出特性について』によると、高齢者の1世帯当たりの平均所得金額297.3万円。買い物の度タクシーだなんて考えられません。
ただ、高齢者に車の運転をさせないだけでは、なんの解決にもならないのです。車に轢かれる人が、車を取り上げられた高齢者に変わり、餓死する人も増加するかもしれません。道の途中で動けなくなり、熱中症でお亡くなりになられる方も増加するでしょう。
私たちに今すぐできることといえば、「違法駐車」「放置自転車」を減少させることくらいです。