救急搬送後たった14〜30日ですぐ退院?転院先など5つの心の準備

  • 2017年7月26日
  • 2018年1月22日
  • 病気

 親御さんがもし、救急搬送された場合、たた14〜30日で退院させられること、ご存知ですか。「若くないのに、そんな短い期間で退院させられても困るし不安。」と思いますよね。そこで、なぜ短い期間で退院が必要なのか、退院後にどうすれば良いのか、まえもって心の準備をしておけば安心です。今回は救急搬送後の退院・転院先などについてご説明いたします。

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救急車で運ばれたらすぐに転院が必要

 救急車で運ばれると、すぐに診断結果が医師により家族へ伝えられます。治療している部屋に呼ばれることもあれば、待合室や廊下に出てきて説明してくれることもあります。

 70〜80歳の親御さんの急変の場合、「脳梗塞」などの脳の病気。「心筋梗塞」などの心臓の病気などを覚悟しましょう。もし、脳や心臓の病気との診断であれば、もう元の生活には戻ることができません。救急搬送先では、命を救い、容態が安定したとの医師の診断があるまでそこの病院で過ごすことになります。

 病院は診療科以外にも、国によって、期間や病状などの機能別に、種類が分けられています。救急車で運ばれる病院は「急性期病院」と呼ばれる種類の病院。「急性期病院」は、命を救うことを目的としており、基本的に14日間で容態の安定と退院を目指します。長くて30日前後。脳や心臓の病気だろうと、たったの14日間〜30日間で退院させられるということです。

 14日間〜30日間の短い期間の間、家族のやるべきことはかなり多いです。入院すると、次の日くらいには病院側から入院から退院までのスケジュール表をもらうかと思います。もらえない場合は「診療計画書、いただけますか。」と看護師さんに聞きましょう。

 「たった2週間や1月で追い出されるだなんて不安なんだけど。」と感じるかと思いますが、「急性期病院」の役割は、命を救い、容態を安定させることです。

急性期・回復期・慢性期・終末期

 病気や怪我は、時間の経過と治療によって、病状が大きく変化していきます。病状の変化に伴って、患者への接し方から仕事の仕方までが大きく変化。その病状の変化が、急性期・回復期・慢性期・終末期です。

 その4種類の病状変化に合わせ、それぞれの病状にあった専門の治療を受けられるよう、病院の種類も、機能別に、急性期・回復期・慢性期・終末期の病院があるのです。ちなみに、慢性期だけ、終末期だけという病院は縮小傾向にあり、今後は慢性期と終末期がくっついたような形の病院・施設が増加していきます。

 国としては、慢性期・終末期の病院・施設以上に、在宅介護サービスや地域住民に支えられることで、実家で暮らしていけるように力を入れています。

 病気や怪我の度合いに大きく左右されますが、若い方であれば救急搬送されて「急性期病院」からそのまま退院ってことも珍しくありません。ですが、70〜80歳の高齢者の場合はそうはいきません。

 救急搬送される時は、大きな病気・怪我である可能性が高いこと。若い人ほど回復が早くないことが理由です。この場合、「急性期病院」退院とともに家に帰ることは非常に難しいでしょう。

 このように70〜80歳の親御さんの入院は、よっぽどの奇跡がない限り、「急性期病院」退院とともに、家にそのまま帰れるほど回復できません。この場合、医師の判断で回復期専門の病院である「回復期リハビリテーション病院」「地域包括ケア病院」への転院、または「介護保険施設」やその他の「介護保険サービス」を進められます。

 「急性期病棟」に、「回復期リハビリテーション病棟」や「地域包括ケア病棟」も備わっているような大きな病院の場合、部屋が変わるだけで済みますが、同じ病院とはいえ「急性期病棟」と料金が違うと思いますのであらかじめ確認しておきましょう。

回復期リハビリテーション病院とは

 「回復期リハビリテーション病院」とは、脳の病気や重度の骨折・靭帯損傷などを理由に救急搬送された患者が、日常生活に戻れるようにリハビリをしてくれる専門の病院です。「回復期リハビリテーション病院」は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、リハビリ専門の資格を持った職員がたくさんいる病院です。

 病気や怪我において、発症から1~2ヶ月後までが回復期と呼ばれる期間であるため、脳の病気や重度の骨折発症から2ヶ月以内までしか転院することができない病院です。靭帯損傷の場合は1ヶ月以内。

 流れでいうと、脳の病気や重度の骨折で救急搬送された「急性期病院」で手術などの治療を受け、命を救われます。その後、おおよそ1ヶ月で病状が安定し、「急性期病院」の主治医に「回復期リハビリテーション病院」への転院を進められるという流れ。この転院までが2ヶ月以内でないといけないのです。

 「回復期リハビリテーション病院」では、転院できる期間だけでなく、病気の種類によって入院期間まで決められています。例えば、重症な脳血管障害であれば最大180日間と入院できる期間が長く、骨盤やひざ関節の靭帯損傷であれば最大60日間といった感じ。

 「回復期リハビリテーション病院」では、障害が残っていたとしても、60〜180日以内で自分自身で日常生活ができるように訓練してくれます。このように、短いとも思える期間が設定されているのは、入院費用がかさみ、家族への負担を考慮してのこと。早く退院してくれた方が金銭的に助かりますし、親御さんが自分で生活できるようになってくれていた方が生活も安心です。

 例えば、救急搬送された親御さんが左半身不随になってしまったとします。それでも、まだ動かすことのできる右半身だけで、自分自身でベッドから出られるように、食事もトイレも入浴も自分一人でできるようにして退院させてくれます。親御さん本人にも、家族にもありがたい病院なのです。

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地域包括ケア病院とは

 「地域包括ケア病院」とは、「回復期リハビリテーション病院」と同じく、救急搬送された患者が、日常生活に戻れるようにリハビリをしてくれる専門の病院です。「地域包括ケア病院」は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、リハビリ専門の資格を持った職員がたくさんいる病院。

 「回復期リハビリテーション病院」には、脳の病気や重度の骨折・靭帯損傷と病気や怪我に種類に制限がありますが、「地域包括ケア病院」には病気の種類による制限がないので、脳の病気や重度の骨折ではない方でも転院することが可能。

 また、「回復期リハビリテーション病院」には、「急性期病院」から転院できる期間が1〜2ヶ月と期間制限がありますが、「地域包括ケア病院」には明確な期間の制限がありません。

 病気の種類や転院までの期限がない代わりに、「地域包括ケア病院」では、最大60日間までしか入院することができません。逆にいえば、障害が残っていたとしても、60日間以内で自分自身で日常生活ができるように訓練してくれる病院だということ。

 入院費用も最大60日間で済みますし、退院後の生活も親御さんが自分でほとんどのことができるよう訓練してくれているはずですから安心です。

介護保険施設やその他の「施設系介護保険サービス」とは

 介護保険施設とは、介護保険サービスで利用できる公的な施設をいいます。「特別養護老人ホーム(特養)」、リハビリを中心とした「介護老人保健施設(老健)」、長期入院して療養する「介護療養型医療施設(療養病床)」の3種類があります。

 3つとも要介護の認定を受けた人が対象ですので、もし、入院した時点で親御さんが「要介護認定」を受けていないようでしたら、入院中に市役所に出向き、「要介護認定の申請」をしに行かなければなりません。

 「介護老人保健施設(老健)」だけは、リハビリが中心なので、最長でも1年未満で家に戻るか、有料老人ホームなどへ行くかなどの対応が必要。

 申請のタイミングは、転院または退院を進める「急性期病院」「回復期リハビリテーション病院」「地域包括ケア病院」のいずれかの先生がお知らせしてくれます。もちろん、病院内に設置される「医療ソーシャルワーカー」さんに相談しても、良いアドバイスをくれます。

 介護保険サービスには、上の3施設以外にもたくさんの施設系サービスが用意されています。「サービス付き高齢者向け住宅」「有料老人ホーム」「養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」「グループホーム」など。

 「急性期病院」から直接、家または介護施設へ。「急性期病院」から「回復期病院」を経て、家または介護施設へ。「急性期病院」「回復期病院」「介護老人保健施設(老健)」を経て、家または介護施設へ。どのような形にするかは、本人である親御さん、家族、病院と話し合って決めましょう。

いかがでしたか。今回は救急搬送後の退院・転院先などについてご説明しました。救急搬送されれば、誰もが体験すること。前もった心構えがあれば、いざその時に焦らずすみます。ぜひ参考にして見てくださいね。

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