介護疲れや家族の揉め事、自殺を防ぐ!親を支える介護 5つの役割分担

 親御さんの介護に疲れていませんか。介護のことで家族ともめていませんか。そんな悩みも家族みんなに「助けてほしい。」ていうだけで簡単に解決できる方法があります。今回は親を支える介護の役割分担をご紹介します。

キーパーソン

キーパーソン

 キーパーソンとは、家族間の意見を調整する家族側の介護リーダー的役割を担うものをいいます。ちなみに、介護保険サービス提供事業者(訪問介護やデイサービスなど)間の意見を調整する介護保険サービス提供側のリーダー的役割を担っている者はケアマネージャーです。

 基本的にキーパーソンは、ケアマネージャーと親御さんの介護について話し合ったり、相談したり、意見を出し合ったりを行います。ケアプラン作成(サービス担当者会議への出席など)に直接関わることも。場合によっては、介護保険サービス提供事業者(訪問介護やデイサービスなど)や医師や看護師(入院先や通院先など)の窓口にもなります。

 キーパーソンは、要介護認定を受けた親御さんのご家族であれば誰でもいいのですが、意見を調整する役割をしっかりできる方をお勧めします。親御さん本人の意向や希望、他の家族の意向をケアマネージャーなどに橋渡しする役割。しっかり要望を伝えられる方が適任です。

 両親ともに健在で、もう片方の親御さんが要介護状態にない元気な方であれば、その親御さんがキーパーソンをつとめても良いのですが、必ずバトンタッチしなければならない時が来ます。キーパーソンは、息子さんや娘さんであるあなたがつとめることをお勧めします。

 家族側の窓口はキーパーソン、介護側の窓口はケアマネージャー、こうして互いの窓口を一本化することで、親御さんのケアを円滑にすることができます。家族みんな、ケアマネなどの介護保険サービス提供事業者みんなで、親御さんを支え合うチーム作りが重要です。

主たる介護者

主たる介護者

 要介護認定を受けた親御さんの介護を行う、家族側の中心人物をいいます。意見を調整する役割は、LINE(ライン)やメール、もしくは電話でも可能です。しかし、介護は親御さんの最もみじかにいる家族でなければつとめることができません。例えば同居している家族や、徒歩何分とかなり近い場所に住んでいる家族などです。

 ちなみに、介護側の「主たる介護者」と同じような役割を担っているのは、当然実際に親御さんに介護サービスをしている介護保険サービス提供事業者(訪問介護やデイサービスなど)の介護職員さん方です。

 基本的に、サービス担当者会議には親御さんとキーパーソンだけ出席していれば問題ありませんが、時には直接介護を提供している「主たる介護者」の生の声も必要です。専門家の意見を聞けるので勉強にもなります。

 このように、家族側の「主たる介護者」、介護側の介護サービス提供者(訪問介護やデイサービスなど)が決まり、家族みんなと専門家がチームとなって親御さんの生活を支え合っていくことになります。それを取りまとめるのかキーパーソンとケアマネージャーです。

 主たる介護者は、その役割上、介護している親御さんの心身状況を最もよく知る立ち位置となります。ですから、意見を調整するキーパーソンに、親御さんの心身状況をマメに伝えることも重要。親御さんのみじかな家族で、親御さんともキーパーソンともうまくやっていける方がオススメ。

 両親ともに健在で、もう片方の親御さんが要介護状態にない元気な方であれば、その親御さんに「主たる介護者」をお勧めします。介護を受ける親御さんにとっても、そのほかの家族にとっても、その方が安心できるでしょう。もう片方の親御さんにそれが無理な場合は、同居または近所にお住いの息子さんや娘さんが行うことになります。親御さんが安心できる方であれば問題ないでしょう。 

緊急連絡先

緊急連絡先

 ご家族不在の際、親御さんにもしものことがあった場合、真っ先に電話連絡がいくものをいいます。例えば、介護サービス提供中の事故、状態の急変などが考えられます。中には、蛇口が壊れて水が止まらないなんてこともあるかもしれません。

 介護を提供する側にとって、何かあった時に連絡を取れないことは非常に困ってしまいます。特に、救急対応を伴う状態の急変などは、介護保険サービス提供事業者だけでなく、搬送先の病院にまで迷惑をかけてしまいます。

 介護における「緊急連絡先」の役割は、他に比べてとても重要です。親御さんの状態によっては「え。また。」って驚くほど頻繁に電話がなることもあり得ます。

 介護保険サービス提供事業者の多くは、緊急連絡先を記入する欄を3つくらい設けています。しかし、大体の家族はここに1人分の緊急連絡先しか記入しません。できれば、家族みんなに相談し、3人とも記入しましょう。3人以上でも構いません。1人しか記入欄がないようであれば、こちらから提案すべきです。

 基本的に、優先順位は記入欄の上から順番になります。介護保険サービス提供事業者は、緊急時に、誰かが電話に出るまで上から順番に電話をかけます。1人目で電話がつながれば2人目以降には電話しません。

 おすすめは、ご家族のライフスタイルに合わせ、優先順を時間帯別に変える方法。人によって都合の悪い時間帯はおおよそ決まっています。16時〜0時までは比較的電話に出られる状態の家族。21時〜翌1時くらいまでは比較的電話に出られる状態の家族。中には22時〜翌朝5時くらいまでなら比較的電話に出られやすいって家族もいるかもしれません。

 さらに、メールアドレスなどの記入もお勧めします。電話にはでられなくても、メールなどであれば確認できますって家族もいるはずです。大切な親御さんのもしもの緊急連絡先です。理由は、迷惑をかけないためだけではありません。親御さんが、「一人寂しく亡くなってしまった。」なんてことにならないよう、家族で協力しあって緊急連絡先をつとめましょう。

施設介護の場合、連帯保証人や身元保証人(身元引受人)も

連帯保証人・身元保証人(身元引受人)

 在宅介護の場合、連帯保証人や保証人を求められることはあまりありません。絶対ないとは言えませんが、施設介護と違い請求額が小さいので、介護保険サービス提供事業者はそこまで厳密にリスク管理をしていません。身元保証人(身元引受人)に関しては、親御さんが在宅に暮らしているので必要とする場面がほとんどありません。

 しかし、施設介護の場合は違います。請求額は大きいですし、親御さんの身柄の引き取りと居室の明け渡し、遺体・遺品の引き取りなど、いろいろな問題が発生することが予想されます。そのため、施設介護の場合は、連帯保証人や身元保証人(身元引受人)も求められることを考慮しておきましょう。

連帯保証人や身元保証人(身元引受人)についての詳しい内容は『親のもしもに備える!焦らず手続きできる人 金 物 情報 4種の入院準備』をチェック。

まとめ

 キーパーソン、主たる介護者、緊急連絡先、連帯保証人や身元保証人(身元引受人)、5つの役割全て、たった1人の家族が引き受けることも可能です。しかし、1人で全て引き受けることはお勧めしません。

 ここまでの説明でご理解いただけたかと思いますが、しっかり親御さんを支えようと思ったら、1つの役割をつとめるだけでも楽ではありません。家族にも生活があります。この状態で1人で全てを引き受けると、他の家族(特に兄弟・姉妹)との揉め事の原因にもなり得ます。

 親御さんの心身状態や介護保険制度に対する理解、熱の違いなど、家族間で差がある場合、関わりの薄い家族ほど言いたい放題な傾向にあります。事情も仕組みも何もかも、深く知らないからです。

 もめていない家族の方が稀なくらい。責任の押し付け合いやけなし合いを介護職員だけでなく、当事者である親御さんも聞くことになるのです。親御さんの心境も察してあげるべきです。

 このようなことにならないためにも、家族みんなで役割分担することが重要。役割分担することで、家族全員が親御さんの介護という課題に向き合うことができます。娘さんの方針と息子さんの方針が違ってサービス提供側が困るってことも防ぐことができます。

 たった一人だけに大きな負担をかけ、介護疲れで自殺だなんてことも珍しくない世の中です。家族みんなで、介護職員や地域の力も借りて、みんなで支えていくことが大切です。

家族、専門家がチームになって支え合う

 いかがでしたか。今回は親を支える介護の役割分担をご紹介しました。これなら、専門家と協力し合い、家族みんなで、チームとして、大切な親御さんの残りの人生を支えていけるはずです。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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